ZIESS Batis 1.8/8(カールツァイス)の実写レビュー。現役カメラマン絶賛の表現力がここに。

はじめに

 今回は、言わずと知れた老舗光学機器メーカー”カールツァイス”から純正品としてリリースされているSONY Eマウント用の単焦点レンズ「ZIESS Batis 1.8/85」について紹介する。

カメラを触る者からすれば一度は耳にするであろう大御所メーカーの品であるが、実は筆者にとって初めてのツァイスレンズである。記念すべきツァイス卒業記事となるが、これを読むあなたの一助になれば幸いだ。

 

 

 

基本情報

 カールツァイスの公式HPを訪れれば詳しいスペックが見られるが、基本的な仕様を敢えてここに並べておくのでご参考まで。

主な仕様

 • SONY Eマウント用 (フルサイズ対応)

 単焦点レンズ (焦点距離 85 mm)

 • F値 1.8 22

 撮影距離 0.8 m

 • AF機能搭載 (リニアモーター式)

 光学式手ぶれ補正

 ZEISS Batis 1.8/85はその名の通り、絞り開放F1.8/焦点距離85 mmの単焦点レンズ。レンズ構成はツァイス伝統のゾナータイプで8群11枚、比較的シンプルにまとまっている。絞り羽根は9枚、最短撮影距離0.8 mで最大撮影倍率は約0.13倍と、85 mm単焦点レンズとして突飛な印象はなく、普遍的なスペックという印象だ。

 このレンズが発表されたのは2015年8月で、かれこれ5年の歴史を持つレンズである。諸仕様からお分かりいただける様に比較的定番な大口径中望遠レンズで「人物撮影を主軸にスナップでも活躍できそうなレンズ」というのが筆者の所感である。こういった撮影を主たる目的とするカメラ人にとっては、物欲を刺激される選択肢の一つとなりそうだ。

 当時はSONY純正レンズで用意されていない仕様(焦点距離)のレンズだった様で、「ツァイス」というネームバリューの力も加わり発表後は多くの注目を集めたレンズである。特にAF機能と光学式手ぶれ補正を搭載した点に注目した記事が多く、今でこそ当たり前の様に搭載されている機能も当時は大きなアドバンテージであったことが窺える。

デザインと操作性

気品漂うシンプルなパッケージ。箱を開けると緩衝材にピッタリ収まったBatis 1.8/85が顔を出す。

 最大直径φ92 mm、レンズキャップ装着時の全長は105 mmで、ボディに装着すると中々にインパクトのあるサイズ感。重量452 gと決して軽くはないが、大口径中望遠レンズの高性能ラインでAF機能、手ぶれ補正機能を搭載していることを踏まえると比較的コンパクトにまとまっているように感じる。

 Batisシリーズで統一されたシンプルなデザインで、無駄がなく洗練された印象を受ける。フォーカスリングは滑らかなラバー製で手触りが良く、無段階に程よい抵抗感で回転するため、意味もなく動かしたくなってしまう。

 レンズ交換やフード脱着に特筆するような違和感はなく、気になる点を挙げるなら、後ろレンズキャップがはめ込むだけの構造なので、意図しないタイミングで外れてしまう事が心配なくらいだろうか。

シンプルでありながら独特なレンズ

 上述の通り、最近の多機能なレンズに比べれば甚だシンプルにまとまったレンズであるが、どこか艶かしい曲線美を有し、それでいてスタイリッシュさを感じさせる不思議なデザインだ。特にフードの形状が独特で、個性的であるが故に好みは別れそうだが、ハマる人にはハマるであろう中々良い玉だと思う。

 そして更にその独特さを際立たせるのが、レンズ上面に備わるディスプレイである。ツァイス曰く「遊び心溢れる有機ELディスプレイ」。MF(マニュアルフォーカス)設定時に合焦距離と被写界深度の目安が表示される。

 この機能を「便利」と感じるかどうかは使い手によるだろう。思いつくシチュエーションを挙げるなら、暗所でAFの利用が難しく、尚且つ被写体を見ながらの合焦が難しい星景写真に挑む際には有用だろう。他にも、奥行きの中間地点に主題を置くような写真を狙う際、前後の解像させたい範囲を「数字」で確認できるため、無駄打ち回避に役立ちそうだ。

(設定を感覚的に合わせられる様な玄人には必要ないのかもしれないが)

 被写界深度の目安、撮影距離が短い時は合焦距離からの差、離れていくと撮影距離で表示される。

▼撮影距離が短い場合

▼撮影距離が長い場合

実写レビュー

 ボディはSONY α7Ⅲを使用。台風通過後のカラッと晴れた逗子マリーナにて撮影を試みた。

大きく[良いところ]と[残念なところ]に分けて、描写性能や使用感について作例と共にレビューしていく。

良いところ

 なんといっても解像力の高さ。絞った際の解像度は非常に精細で、人物の表情は躍動感すら感じる高い表現力である。風になびくススキの一枚、等倍表示を見ると解像力の高さが顕著に現れており、「なるほど、これがツァイスか」と思わず感心してしまう。

*画質が落ちない様に画像サイズを大きくしており、読み込みに時間がかかる場合があります。


ISO 80 f 7.1 SS 1/640


ISO 80 f 4.5 SS 1/640

 更に特筆すべきは絞り開放での解像力の高さだろう。F1.8でシャッターを切っても合焦部分の解像感は素晴らしく、毛髪の一本一本まで精細に映し出されている。一方で、絞り開放でのピン山がピーキーなのか、最短撮影距離に近い撮影では顔の奥行きでボケが出るほど被写界深度が浅いようだ。


ISO 80 f 1.8 SS 1/640

 ボケに関しては少しクセがある。若干硬めの印象があり、滑らかで滲むような柔らかいボケを好む人にとってはネガになりそうだ。


ISO 80 f 5.0 SS 1/100

 逆光耐性は強い部類だろう。逆光でも文句なしの表現力である。フレアについては、そこそこ絞ったF5.6ではほぼ発生しないものの、F20まで絞ると顕著に現れた。本レンズの用途としてゴリゴリに絞った撮影を必要とする場面は想像しづらいので、さほど問題ではないだろう。


ISO 80 f 5.6 SS 1/250


ISO 200 f 20 SS 1/100

 85 mm単焦点レンズと聞いて真っ先にイメージするのはポートレートであるが、風景撮影やスナップにおいても、中望遠特有の軽い圧縮効果を利用した印象的な写真を撮ることができる。


ISO 80 f 1.8 SS 1/500


ISO 80 f 7.1 SS 1/640

残念なところ

 絞り開放からしっかり解像する素晴らしいレンズだが、筆者にとっての痒いところは「寄れない」ところである。本レンズの最大撮影倍率は約0.13倍で最短撮影距離0.80 m、ボディ機種にもよるがWD(レンズ前玉から被写体までの距離)で言うと約70 cmほどの距離が必要だ。そのため、目や口など顔の一部を切り出す様な撮影には向かず、ポートレート撮影時も「気がついたら被写体に近づき過ぎ」な場面が多々あった。

 また、絞り開放での撮影写真は周辺減光と歪曲が発生する。先に挙げた作例はすべて、Adobe Lightroom(現像ソフト)上でレンズプロファイル補正を適用してから出力している。SONYの機種であればボディ内での補正(メニュー:レンズ補正)が可能だが、期待するほどの補正は掛からない印象だ。撮って出しでの撮影をメインとする方は、予め把握しておくのが吉だろう。

補正なし

補正あり

 

まとめ

 今回はカールツァイス純正リリースの「ZEISS Batis 1.8/85」について、作例をもとにレンズの特徴を紹介した。

 独特でスタイリッシュなデザインは所有感を満たし、高い表現力は撮影欲を駆り立てる素晴らしいレンズだと思う。特に絞り開放での撮影は心地よく、しっかり解像された合焦部からボケまでの滑らかな描写はクセになりそうだ。専ら、ポートレートをやる人間には自信を持ってお薦めできるレンズである。

 ただ、人によって体感が異なるため一概には言えないが、「思ったより寄れない」ということを理解した上で使うのが良さそうだ。

他の作例

出典:https://www.instagram.com/p/CAVqGSmD–I/?igshid=d54ydylndtb1

出典:https://www.instagram.com/p/CGSvuv3nf3O/?igshid=j8d9udak96kp

出典:https://www.instagram.com/p/CGQLvEsDYJz/?igshid=1dwujbu8wiwgm

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