現役カメラマンによるソニーSEL24105Gの実写レビュー満載!群を抜いた汎用性を誇るこのレンズの実力とは?

はじめに

 今回はSONYミラーレス機用の小三元レンズ、SEL24105Gについて紹介する。最近は種類が豊富になってきたSONYミラーレス機向けのレンズ。そのラインナップの中でも、SONYユーザーでフルサイズ機を所有する者にとって必携とも言える、汎用性の高さが魅力の1本だ。コンパクトなボディに優位性をもつミラーレス一眼において、優れた携行性を兼ねる汎用ズームレンズと言える本レンズ、果たしてどんな描写性能を見せてくれるのか、実写作例を混えつつ筆者の所感を述べさせていただくので、ご参考に。 

基本情報

 メーカーHPを訪れると詳細なスペック情報が閲覧できる。基本的な仕様・スペックは下記の通りである。

主な仕様
• SONY Eマウント用 (フルサイズ対応)
ズームレンズ (焦点距離 24 105 mm)
• F値 4 22
フィルター径 φ77 mm
最短撮影距離 0.38 m
• AF機能搭載
光学式手ぶれ補正

 SEL24105Gは、絞り開放F4/焦点距離24 ~ 105 mmのいわゆる「小三元標準域ズームレンズ」だ。広角端24mm、望遠端105mmとズーム域が広く、幅広い画角描写をこの1本でこなす事が可能で、多様な撮影シーンに対応できる汎用性の高さが特徴のレンズと言えるだろう。そして何よりGシリーズのレンズである。高性能ラインのG Masterシリーズには及ばないのかもしれないが、その描写性能、特にボケに関しては高い期待値を抱いていいだろう。

 レンズ構成は14群17枚、色収差補正を目的としたED(特殊低分散)ガラスが3枚用いられており、特に望遠側で顕著に現れる色にじみなどは効果的に抑制されていると予想される。また、SONY独自の高度非球面AA(Advanced aspherical)レンズ2枚を含む、非球面レンズが計4枚組み込まれており、高度な描写性能を維持した上での小型・軽量化への設計努力が見られる。加えて、微細な凹凸構造により反射光を大幅に低減する効果のある「ナノARコーティング」が採用されており、逆光やゴールデンアワーの斜陽など、強い光がフレームインすると顕著に現れるフレア・ゴーストの発生が抑制されている。前玉表面にはフッ素コーティングが施されており、汚れにくい上に、指紋や油が付着しても拭き取りやすいとのことでメンテナンス性にも優れる。

 円形絞りが採用されているものの、羽数9枚ということを踏まえると、絞った設定では多少なりボケがカクつきそうではある。ズーム方式は繰出し式。AF機能搭載で光学式手ぶれ補正はON/OFFの切替が可能だ。

コンパクトなデザイン

 パッケージはSONY定番のオレンジ箱。言わずもがな丁寧な梱包がされており品質の高さが窺える。これは筆者の所感であるが、レンズ本体は思ったより小さいといった印象。この大きさで広角端24mm~テレ端105mmのF4通し、かなりコンパクトにまとまっている様に感じる。外観・デザインも、洗練された雰囲気のあるスタイリッシュな印象で、黒地に白字のGラベルは最高にかっこいい。胴部表面はαシリーズのボディと同様のテクスチャ塗装が施されており、装着時は統一感が感じられる。 

 最大直径φ83.4mm、レンズキャップ装着時の全長は広角端で約130mm、テレ端で約180mm。よくあるキットレンズと比較すると小さいとは言えないが、諸スペックを加味して考えると非常にコンパクトにまとまっており、小三元標準ズームレンズとしては、携行性は優れている方だろう。ボディ装着時の取り回しなど、筆者の所感では旅行に持ち運べるギリギリのサイズ感といったところだ。重量663gと他メーカーの小三元標準ズームと比較しても軽量だ(2017年SONY調べでは最軽量らしい)。丸1日ストラップで首から下げていても、特に疲れやフラストレーションは感じなかった。コンパクトなデザインと重量の軽さから、取り回しに優れたズームレンズだと言える。

 レンズフードは花形のバヨネット式で樹脂製フォーカスリング、ズームリングはどちらもラバー質。前玉側からフォーカスリング、ズームリングとなっており、リング幅はズームリングの方が太いデザインだ。

機能と操作性 

 軽量な設計、コンパクトなデザインの傾向性に優れるレンズだが、搭載する機能は十分と言えるだろう。AFはダイレクトドライブSSM(Supersonic wave motor)方式。電圧負荷に対して物理的な力を得る逆圧電効果を利用したモーターで、正確な位置に素早く駆動する特徴がある。 

 高スペックモデルによく見られるAF/MF切替スイッチはもちろん搭載されている。標準域ズームレンズ使用目的となりやすいスナップ撮影などで、被写界深度の浅い設定にした場合も瞬時にAF/MFを切り替えることができる。評判の高いフォーカスホールドボタンも備わっており、ボディ側の設定で多機能を割り当てることも可能だ。

 ズームリングはリングの回転運動に伴って機械的に動作する仕組み。リング幅が太いので回す際のホールド感は高く、ファインダーを覗きながらでも直感的な調整ができる。対照的にフォーカスリングは、リング回転運動を電気信号に変換しモーター駆動させる方式だが、筆者の体感では気になる様なタイムラグは感じられなかった。

 ズーム方式は繰出し式で、広角端からテレ端までズームするとおよそ5cm長くなる。5cmという数字から、極端に繰出しが長いとは言えないものの、標準ズームレンズにしては結構伸びる印象があり(焦点距離のレンジが広いので仕方ないのだが)テレ端撮影時には取り回しに注意が必要だ。 

実写レビュー

 本レビューではカメラボディにα7RⅡ、α7Ⅲを使用して撮影。紅葉をメインとした風景撮影から星景撮影、ポートレートにもトライした。なお、作例は全て撮って出しとなっている。

ボディはSONY α7RⅡ及びα7Ⅲを使用。風景撮影を主に実写トライを行った。

 先ずは色乗りについて。雲の多い晴れ、且つ夕刻の日が斜に入る時間帯での広角端とテレ端の作例をそれぞれ載せた。広角端24mmの作例はパッと見では色映えの悪い印象だが、筆者の所感では「見たまま」の色表現であり、良くも悪くも誇張のないニュートラルな表現だ。テレ端105mmの作例も同様に肉眼で見る色がそのまま表現されているのだが、鮮やかな色情の映し出しも違和感のない表現で、もみじの赤色や緑色も色潰れ等なく鮮明に描写されている。また、広角域で懸念される絞り開放時の周辺描写については、目立つ周辺減光や流れ等は見られず、画角の隅まで精細な描写が維持されている印象があった。

24mm ISO1600 F4 SS1/100 

105mm ISO800 F4 SS1/100

 同じ構造物を異なる焦点距離で撮影した作例。人の視野角に近いとされ使用頻度の高いイメージのある50mm画角、少し寄せて圧縮効果による絵画的な表現となる75mm画角での作例だが、どちらも色描写や解像感に大きな差は見られなかった。全く同じ状況でも、広角画角のパースが効いた広さを感じる表現から、中望遠域の主題に注目を集めさせるような印象的な表現までこなすのは標準域ズームレンズの長所である。そのズーム域全域において、描写性能に大きな差がないことは大きな利点と言える。なお、広角端24mmではそこそこな樽型、テレ端105mmではほんのり糸巻き型の歪曲があるが、ボディ設定のレンズプロファイル補正をONにしておくとほとんど気にならなくなる(撮影後の現像処理で補正が可能なので、あまり気にする必要はないように思うが)。 

50mm ISO100 F4 SS1/100

75mm ISO100 F4 SS1/100 

 筆者の主観的な意見だが、テレ端105mm画角の表現力は非常に高いと感じた。日の丸構図のもみじの葉、少し離れた位置からのヨット模型の作例。冒頭述べたように色乗りの良さはもちろんのこと、細かい質感やディティールがシャープに描写されており、等倍表示でも遜色のない解像感がある。加えて明部・暗部それぞれの細かいコントラスト表現も素晴らしく、日の差込や影の表現は素晴らしいの一言。 

105mm ISO800 F4 SS1/100

105mm ISO100 F4 SS1/100 

 つづいて秋の夜空を撮影した1枚。絞り開放F4と明るいレンズとは言い難い本レンズだが、星景撮影も可能だ。ただ、絞りでの露出稼ぎに制限があるため、ノイズの許容レベルにもよるのだが、ISO感度を上げ渋るとシャッタースピードを長くすることでの露出稼ぎ設定となる。シャッタースピードが長くなるほど星の動きを拾ってしまい点状から線状に近づいていくし、雲が早い状況では狙った絵を撮るのが難しくなる。ただ、等倍印刷でもしない限りは十分に見ることのできる写真が取れる印象で、本作例ではカメラボディに高画素機を用いていることもありノイズが気になるところはあるものの、十分な映りが得られる。 

24mm ISO1600 F4 SS8’

 こちらは撮影設定とモデルとの位置関係を変えずに、焦点距離だけを変化させて撮影した作例(50mm、70mm、105mm)。メインの被写体とその周囲の場面を画角に入れ込んで「場景」を切り取る広角レンズ表現、標準画角とされる35~50mmでのスナップ的な撮影、背景をぼかして被写体を際立たせ「情景」を表すような中望遠レンズ表現と、同じシチュエーションでも多様な撮影が可能なのは、ズームレンズの大きな特徴の一つだと言える。 

50mm ISO160 F6.3 SS1/50 

70mm ISO160 F6.3 SS1/50 

105mm ISO160 F6.3 SS1/50

コンパクトで取り回しの良いレンズのため、手持ち撮影時の縦構図撮影はストレスなく行うことができる。大型になりがちなズームレンズということを鑑みると、画角や写し込み方を頻繁に変化させたいポートレート、居合わせたその瞬間を切り取りたいスナップ撮影において、非常に有意な特徴であると感じた。

50mm ISO500 F5.6 SS1/200

ポートレート撮影においても、ズーム域全域において顕著な描写性能の差はなく、高い解像感、細かいコントラスト表現や柔らかめで美しいボケなど、さすがGレンズと言った描写性能の高さだ。

60mm ISO500 F5.6 SS1/200 

105mm ISO1000 F9 SS1/50

暗い屋内でのポートレート作例。モデルの裏に光源がくる逆光的な構図で、被写体の露出がアンダーになりすぎない様に撮影した写真、光源部分の白飛びはあるものの広いダイナミックレンジで描写できており、特にシャドウ域は黒つぶれせずに微妙なコントラスト表現、引き締まった黒表現ができていると感じた。また、絞り開放F4でのボケは比較的柔らかい印象で、画角に写り込んだ光源は綺麗な玉ボケ表現ができている。 

105mm ISO10000 F4 SS1/60 

24mm ISO4000 F4 SS1/40

まとめ

 今回は、SONYミラーレス一眼用レンズラインナップの中でもGシリーズに属する小三元レンズ「SEL24105G」について、作例と共にその特徴を紹介した。

 SONY純正ズームレンズの中でも汎用性の高さは群を抜いているレンズと言った印象で、フルサイズ機ユーザーに限らずAPC-C機ユーザーにおいても、何を買ったらいいのか分からないならとりあえず買っておけと言いたくなるような1本である。絞り開放F4と明るいレンズではないため、暗所撮影では露出稼ぎにISO感度・シャッタースピードの妥協点を探る必要があるものの、24mm~105mm画角までを絞り値通し設定できる分、急な画角変更に伴う設定変更はしなくていいので気楽に思い切った画角変更に踏み切れるレンズだ。

 一方で、筆者のように単焦点/絞り開放F1.4, 1.8などの明るくボケるレンズの魅力にハマってしまったカメラ人にとっては、絞り開放F4はネガな部分と言える。それでも、今回実際に使用してみて感じた撮影時のレンズ交換の必要の無さはやはり賢く、圧倒的単焦点レンズ信者の筆者にも「ズームレンズ欲しい」と思わせるような、魅力あふれる素晴らしいレンズだと感じた。

他の作例

 

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